新しいライフスタイルが定着して、外でたくさんの人たちと過ごすよりも、家で気の置けない友人や家族との時間を優先する人が増えたように思います。
また一人時間の楽しみ方として、自宅でコーヒーを淹れる人も多くなった印象です。
家でのコーヒーの楽しみ方は人それぞれですが、せっかくなら淹れる工程から楽しみたいですよね。
専門店で選んだコーヒー豆を手回しのミルで挽く。
ドリッパーにフィルターをセットして、挽いた粉を入れる。
お湯をゆっくりと注いで、少し蒸らす。
香りを楽しむ。
もう一度一定のペースでお湯を注いでいく。
ちょっと手間かもしれませんが、その一手間が小さな豊かさをより深める「キモ」な気がします。
そしてもう1つ、ささやかな贅沢時間を底上げする強い味方がいます。
それは「おやつ」。
というわけで今回は、コーヒーに合うおやつの組み合わせをご紹介します。
コーヒーもおやつも嗜好品
まず大前提として、コーヒーもおやつも嗜好品です。
おいしさは自分の感覚にあるものなので、コレという正解はありません。
極論を言えば、好きなものを選べばいい!ということになります。
だけどせっかくなら、自分だけのおいしい組み合わせを知りたくありませんか?
みんなのおいしいにとらわれず、自分のおいしいを発見するための知識として、知っておいて損はないのが「フードペアリング」の考え方です。
フードペアリングとは?
「フードペアリング」とは、互いの魅力を引き立て合う食材同士の組み合わせを考えることです。
例えば赤ワインなら肉料理、この産地のワインならこのチーズといった具合に、味わいや香りの相性が良いものを一緒に食べると、おいしさが倍増するし、選ぶ楽しさも生まれます。
何より自分が「おいしい」と感じる組み合わせを発見できると、何気なく口にしていたものの味わいや風味をより一層楽しめるようになります。
コーヒーの特徴で選ぶ
お気に入りのコーヒーをさらにおいしく飲みたいと思ったら、まずはそのコーヒーの特徴を掴むことが大切です。
豆の産地や、焙煎度合いによって変化する苦味、コク、香りなどコーヒーの個性を把握しておくと、ぴったり合うおやつが見つかりやすくなります。
ここでは1番わかりやすい焙煎度合いでのおすすめを紹介します。
浅煎り
浅煎りのコーヒーは、フルーティーな酸味が特徴で、豆本来の風味が引き立ちます。
そのため、さわやかな味わいを感じられるフルーツを使ったお菓子やケーキなどとの相性が良いです。
レモンパイやアップルパイ、フルーツ系のムースケーキもよく合います。
フルーツの甘みや酸味がぎゅっと詰まったドライフルーツを合わせると、浅煎りコーヒーの風味をさらに引き立ててくれます。
オレンジやブルーベリーなど酸味のある生のフルーツとの組み合わせは全体に潤いを与えてくれるので、目覚めのコーヒーやリフレッシュしたいときにおすすめです。
中煎り
中煎りのコーヒーは酸味、苦味、香りのバランスが良いため、組み合わせるおやつの種類も多いです。
特におすすめなのは素朴な焼き菓子系。
クッキーやスコーン、マフィン、パウンドケーキなどのほんのりとした甘みと、バランスの取れた中煎りコーヒーの苦味とコクがマッチします。
浅煎りほど酸味もなく、深煎りほど苦味もないので、素朴なおやつの風味がコーヒーで消えてしまうこともありません。
口の中の水分を持っていかれるような粉物は、コーヒーを飲む量も増えます。
バランスの良い中煎りなら、ゴクゴク飲めてしまいますね。
こってりした甘さと酸味が両方ある苺のショートケーキもよく合います。
口の中に残った生クリームの油分を、コーヒーがさっぱりと洗い流してくれますよ。
軽めのランチや、家事や仕事の合間のちょっと一息つきたいシーンにもおすすめです。
深煎り
深いコクと強い苦味が特徴的な深煎りコーヒー。
しっかりと甘みを感じられるおやつとの相性が良いです。
濃厚なチーズケーキやバター感の強いケーキ、キャラメル系のお菓子は、口の中でコーヒーの苦味と濃厚な甘味がマッチして、よりおいしさを感じられます。
ガトーショコラやショコラテリーヌなど、濃厚でコクのあるチョコレート系も間違いないです。
番外編として、あんこや黒糖を使ったおやつも深煎りコーヒーによく合います。
まったりとしたあんこの甘さや、独特の深みがある黒糖の甘さも、深煎りのコーヒーの苦味とコクが、まろやかに中和させてくれます。
ようかんやどら焼き、かりんとうなど、それぞれ異なる食感も、楽しいですよね。
最後に
あわただしく過ぎていく日や、なんだか気持ちの晴れない日。
タスクに追われて、頭がパンクしそうな時。
そんなときこそ、ちょっと手を止めてコーヒーとおやつでホッと一息をついてみませんか。
ほんの15分、20分でいいと思います。
気持ちを緩めてごきげんに過ごせれば、次に進むためのエネルギーになります。
今日はどんな甘いものを食べようかなと考える時間は楽しいし、コーヒーに合うおやつを探し求めることは、自分の感覚に素直になっていく過程ともいえます。
日常のおやつ探しの小さな旅は、コーヒー時間をより豊かなものにしてくれるかもしれません。
参考URL
https://kinarino.jp/cat4/41135
画像
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